少しでもわかりやすく歩行分析について考えてみる!!!

実習などでは動作分析、歩行分析にとても苦戦して記憶があります。当時はどこを見たらいいのかわからない。知識も今よりは少ないし経験もない状態でしたので、余計に苦戦したのだと思います。
苦手意識があるかたが多いのが動作分析、歩行分析かと思います。
少しでもお役にたてればと思い書いていきたいと思います。
目次
なぜ、動作分析が難しいのか?
今思う難しいと思う原因は、一番は動作の理解ができていなかったことだと思います。
いろいろな動き(漠然と歩行・・・)
↓
いっぺんに見ようとする(相に分けようともしない・・・)
↓
覚えられない・理解できない(正常といわれているものがわからない・・・)
↓
難しい(なにが逸脱しているのか、異常なのかわからない・・・)
↓
嫌い(よくわかんない・・・)
となっているのではないかと思います。
歩行分析で、何を見るの?
歩行の正常な機能から、逸脱した機能を見つけ出し、身体機能の評価を行い、トレーニングやリハビリプログラムを考えていく
逸脱した機能を見つけるために、健常の歩行メカニズムを理解することが大切となる。
どうやって分析していくの?
病院や施設(保険下)では、診断名が先にあるため、予測がしやすい状態にあると思います。
変形性膝関節症のかたを見ようとすると、まず膝がどうなっているか、足が着いたら不安定に揺れたりするのか、しっかり曲がっているのかなど少し細かいところに目が行ってしまうと思います。
診断名が先にあることで、先入観が生まれ限定された部位に集中してしまうこともあります。
細かいところを分析したあとに、全体的に広げられればいいのかもしれませんが、なかなか難しいと思います。
お勧めの見かたは?
一言でいうと歩行を全体的にみてみることです。
頭の揺れ方や体の傾き方など、大きく動きが出やすいところから見ていくほうが見やすいのではと思います。その他にわかりやすいものとして歩行速度や歩幅なども観察しやすいものになると思います。
インソールを作製していく中で、しっかりと分析している部分として足関節、足圧重心を気にしています。
足圧重心は目で見れるわけではありませんが、どんな軌跡をたどっているのかな?
足首はどう動いているかな、足底・足関節の向きを分析した後に膝・股関節・骨盤・体幹・頸部・上肢
といったように足から徐々に上に上がっていく観察・分析を行うこともあります。
分析でおしまい?
分析して逸脱した機能、運動を見つけたらそれで終わりにしてはいけません。
それでは見ただけで終わってしまい、裏付けが取れていません。
しっかりと評価を行い、原因を追究していきます。
ここでいう評価とは、徒手筋力検査法や関節可動域、VAS(疼痛スケール)などの特定の項目を指します。
分析でみえた逸脱した機能・運動の下人を明確にしていきます。
主な原因として
・運動制御の障害(筋力低下)
抹消の問題:廃用性萎縮、筋疾患や外傷など末梢神経損傷など筋力低下を引き起こす全ての原因
中枢の問題:痙縮、硬直、失調、失行を引き起こし、その結果筋力低下になることがある
・関節可動域の異常
変形性関節症などの変形によるものや不活動による瘢痕形成などがある
・知覚障害
感覚消失、鈍麻などの程度により歩容に影響がことなる。
脳梗塞などの脳血管疾患によるものや神経障害によるものがある。
・痛み
どのような痛みでも歩行により痛みを生み出さない様に動作を行うため、歩容に変化が出現する。
・大脳辺縁系―情緒的原因
精神的な不安などにより姿勢・歩容に変化が見られる。
また長年の癖や痛みなどにより、痛みがなくなった後も同じ歩容や姿勢になってしまうことが多い。
歩行分析からリハビリプログラム、トレーニングにつなげるために
機能改善のためには、分析で逸脱運動をみつけ、検査で原因を追究していくことが重要となります。
逸脱した運動を見つけることが、大変となり、その逸脱した運動の原因となる評価を考えるのが大変だったりします。
学生の時には、本当によくわかりませんでした。
関節可動域訓練、筋トレ、寝てある程度の運動をしてから、ひたすら歩行練習とかにプログラムがなりがちでした。今思うと原因が考えられていなかったのでしょうね。
どうやって、歩行分析を練習したの?
病院や施設では歩き方を模倣して、歩き方をコピーしてから姿勢強制鏡などをみてどこの関節がどうなっているとか、ひたすらやっていました。
もう一つ練習したものとしては、外を歩いている人を観察することをしていました。
待ち合わせや駅などにいる場合に、いろいろな人が歩いています。
そんな人たちを見ながら
膝が・・・
足が・・・
身体が傾いてる・・・
やたらと右に揺れる・・・
など一つでもいいので特徴を見つけていました。
あんまりじろじろ見ているとトラブルのもとになるかもしれませんので、自己責任でお願いいたします。
一番大事な共通の言葉を学んでおきましょう
リハビリ専門職だけとは限りませんが、歩行分析を行うにあたって、専門用語をしっかりと押さえておきましょう。歩いているときの右足の上がっているときのなんとかかんとかとかでは全く伝わらないと思いますので、しっかりと伝えられるように専門用語を理解しておきましょう。
従来の用語 | ランチョ・ロス・アミーゴ方式 | ||
---|---|---|---|
踵接地 | ヒールストライク | 初期接地 | イニシャルコンタクト |
足底接地 | フットフラット | 荷重応答期 | ローディングレスポンス |
立脚中期 | ミッドスタンス | 立脚中期 | ミッドスタンス |
踵離地 | ヒールオフ | 立脚終期 | ターミナルスイング |
つま先離地 | トゥオフ | 前遊脚期の終わり 遊脚初期の始まり | プレスイング(終わり)、 イニシャルスイング(始まり) |
加速期 | アクセルレーション | 遊脚初期の一部と 遊脚中期 | イニシャルスイング(一部)、 ミッドスイング |
遊脚中期 | ミッドスイング | 遊脚中期の一部と 遊脚終期 | ミッドスイング(一部)、ターミナルスイング |
減速期 | デセレレーション | 遊脚終期の一部 | ターミナルスイング |
略語 定義 | 日本語訳 | 役割 | |
---|---|---|---|
IC initial contact | イニシャルコンタクト | 初期接地 | 衝撃吸収の準備 |
LR loading response | ローディングレスポンス | 荷重応答期 | 衝撃吸収 荷重を支えつつ安定性を保証 前方への動きの保持 |
MSt mid stance | ミッドスタンス | 立脚中期 | 支持している足の前足部の上まで身体を運ぶこと 脚と体幹の安定性の確保 |
TSt terminal stance | ターミナルスタンス | 立脚終期 | 支持足(立脚肢)の直上を超えて身体を前に運ぶこと |
PSw pre-swing | プレスイング | 前遊脚期 | 遊脚期の準備体勢 |
ISw initial swing | イニシャルスイング | 遊脚初期 | 床から足が離れること 脚を前に運ぶこと |
MSw mid swing | ミッドスイング | 遊脚中期 | 脚を引き続き前へ運ぶこと 足と床の十分なクリアランスの確保 |
TSw terminal swing | ターミナルスイング | 遊脚終期 | 脚を前に運ぶことの終了 イニシャルコンタクトの準備 |
参考書
歩行分析の教科書でよく使っているものはこれではないでしょうか?
「観察による歩行分析」 医学書院
おわりに
歩行分析に関しての参考書は本当にいろいろ出てきています。
私が学生から新人理学療法士の頃には、上記の参考書しかありませんでした。確か。
ですが、この参考書の言葉は本当に多くの方たちが使用している言葉になります。
覚えておかないと、話ができなくなってしまうかもしれません。
歩行分析・動作分析がうまくなりたいと考えたときに、何をするか?
①動画で撮影させてもらう
②何度も確認する
③どこのタイミングで何を動かしているなど
④自分でも真似をしてみる
本当にいろいろやってみました。
学生のレポート、今はどうなっているかわかりませんが、各層に分けて、四肢や体幹の動きを専門用語で記載して説明をしなければいけません。
運動学が必須になってきます。
人に伝えるためには、運動学や解剖学など基礎科目となるものが本当に必要になってきます。
本当に勉強しなければいけないことがたくさんありますね。。。
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