いろいろなところで働いてきて脳梗塞のリハビリってどんなことしてたの?
以前、脳梗塞についての簡単な説明を書かせていただきました。
今回は、脳梗塞・脳梗塞後遺症へのリハビリを行っていてどう思っていたのかを書いていきたいと思います。
どんなリハビリをしていて、どんな練習があるのかなどは、次の時に書きたいと思います。
実際に、他のサイトなどで運動に関してはたくさん書いてありますので、その時に考えていたこと、今になって思うことを書いていきたいと思います。共感できる部分や違うだろうとお叱りを受ける部分もあるかと思いますが、私個人が思っていたこと、考えていたことになりますのでご了承ください。
目次
リハビリを行う前に
脳卒中、脳梗塞、脳出血の発症からどれぐらいの期間が経っているかによってリハビリの内容が変わってきたりします。まずは、一般的にどの期間だとどのような言葉で言われているのかを書いていきたいと思います。
回復期などの言葉があるけど?
発症後から2週間程度まで:急性期
発症から2週間後から6か月程度まで:回復期
発症から6か月以降:生活期
このように時期によって〇〇期というようになっています。
実際、〇〇期だからこの運動、このリハビリなどの決まりはありません。
個々人の身体機能・身体状況に合わせて運動・リハビリが決定されていきます。
どんなことから始めていくの?
発症後まもなくはバイタルチェック(血圧・体温測定)から始まり、バイタルが安定していることを確認してから寝返りや起き上がりから開始していくことになると思います。
病院では、ベッドのヘッドアップから開始されることがほとんどではないでしょうか?
また、関節が硬くならないように関節可動域訓練を行っていることがほとんどだと思います。
早期離床・早期歩行を提唱されているため、長下肢装具を装着し両側から支えて歩行訓練を行ったりしているようです。
最近は、急性期病院では働いていないためどの程度行われているのか実際のところはわかりません。
病院では、退院に向けて、自宅での最低限の生活ができるように、歩行練習が中心に行われているような印象があります。
回復期で働いていて思っていたこと
自宅への退院を目指してリハビリの計画を立てていました。
その結果、車いすへの移乗動作の練習や少しの距離でもいいので歩行練習を行うことがほとんどでした。
その時には、それが最善だと思い必死にどうやったら移乗動作が行えるのか、歩けるのかを考えていました。
その後、老人ホームや訪問で働いていて違うアプローチが必要だったのではないかと感じることが多くありました。
老人ホームで働いて思っていたこと
回復期や急性期病院から入居されてくる方たちのリハビリを行っていく中で、寝返りもご自身ではできない、起き上がることも難しいという方が本当に多くいらっしゃいました。
しかし、病院でのリハビリでは歩行練習をしていた。ご家族からも歩く練習をしていたので行ってもらいたいなど、『歩く』ということに注目がいっていました。
歩けることは本当に大切なことだと思います。
でも、歩くためには起き上がらなきゃいけないし、起き上がるためには最低限の寝返りができないといけない。
基本動作の練習をすっとばして、歩行練習になってしまっていることが本当に多いと感じました。
訪問リハビリで働いていて思っていたこと
病院ではできていたことが、自宅に帰ってきてだんだんできなくなってしまうことが多いと感じました。
病院では自分でトイレに行けていた、少し歩くことができていたなどご家族から話を聞いていました。
けど、家に帰ってきてからだんだんできなくなってしまった。
病院と在宅の環境の違いや運動量の減少により体力や筋力など身体機能の低下が生じてしまうのだと思います。環境の変化によってできていたことができなくなってしまう。バランスをとれていたものがとれなくなる。手すりの位置が違うだけで、立ち上がることも大変になってしまう。
病院と家ではできることが変わってしまうのだと思います。
いろいろな場所で働いて今思うこと
いろいろなところで働いていて思ったことを書いてきました。書いている中で、お気づきになった方もいるのではないでしょうか?
運動麻痺に対しての治療・リハビリというものが上がっていないことを。
家に帰るために、麻痺の回復ではなく、現状の身体機能でできるようになるということが重要視されてしまっています。
その時には気が付くことはできませんでしたが、運動麻痺の改善を行っていくことを一番望まれているはずなのに、そのリハビリは二の次になってしまっていることが多いのです。
予後予測と言われるものもあり、どの期間でどのぐらいの回復をしていないと麻痺の改善は難しいなどいろいろな文献があります。
麻痺の改善のために上肢だけを動かしたり、下肢だけを動かしたりということも言われています。
しかし、その土台となる体幹の活動性をしっかりと向上させていかないと上肢・下肢ともに動きはよくなって来ないのではないかと考えています。
今はエビデンス(科学的根拠)があるものをリハビリとして選択していかなければいけないといわれています。
エビデンスがあるものは、促通反復療法になります。とても有用なもので、私自身も勉強させてもらい臨床でも今では最も使用させていただいています。
上肢・下肢の運動の前に必ず体幹の活動性を向上させるような運動を行ってから促通反復療法を行うようにしています。
その方法がエビデンスがあるのかと言われると研究をしているわけではないので何とも言えませんが、歩行や日常生活動作を行っていく中では動きはスムーズになります。
終わりに
現在は、研修会や勉強会が本当に多くあります。その中で、これが一番効果がある。これをやれば大丈夫とまで言っていないかもしれませんが、不安をあおるような研修会が多くなっているような気がしています。
いろいろな研修会・勉強会に参加して思うことは、似たり寄ったりのことを言っているような気がしています。やり方に患者さんを当てはめるのではなく、患者さんに合わせてやり方を変えていけるように、セラピストは引き出しを多く持つことが大切なのでと思います。
なにかの手技を突き詰めていくことも素敵なことで、とても大変なことだと思います。一つの手技だけでなくいろいろな引き出しを持てるように私自身もゆっくりと勉強をしていきたいと思います。
昔のように研修会・勉強会に行きまくるようなことはできなくなりましたが、できる範囲で行きたいと思います。
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