脳梗塞後遺症、ふくらはぎの痛みの相談がありました。

ふくらはぎの痛みが強く、歩くことが難しくなってきた、自転車にも乗ることが難しくなってきた方からの相談になります。
相談の中で出てきた話や身体状況、現在の悩みなどを少しまとめておきたいと思います。
目次
お会いする前の情報
・70代女性
・ふくらはぎが痛くて、自転車に乗れない
・5年前に脳梗塞を発症されている
・歩くのも大変になってきている
・足を動かしにくくて歩きにくい
上記のような内容での相談がありました。この情報だけの判断では脳梗塞後遺症による運動麻痺が悪い影響を出しているのではないかと考え、運動麻痺に対しての運動プログラムを行っていこうと考えていました。
直接お話をして
・著明な運動麻痺が見えない
・自転車で膝が曲がった時に痛みが出る
・階段の降りの時に痛みが強い
・階段を一段ずつ降りることができない
・歩いているときに、腰が曲がってしまう
・200-300㍍歩くと休憩をしないと歩き続けることができない
・以前に変形性膝関節症と言われたことがある
・整形外科クリニックにて、膝に注射をしていたこともある
・時々、腰にも不調・痛みを感じることがある
・接骨院や整体院などいろいろなところに通ったがその時に良くなったとか悪くなったとか実感がなにもなかった
・実感がなかったため、2-3回通って、通わなくなった
実際にお会いして脳梗塞後遺症による影響は可能性として低いのではないかと考えました。
身体状況の確認
・やっぱり運動麻痺はほぼない
・痛みの部位がふくらはぎだけではない
・膝窩部に膨隆があり、圧痛がある
・膝関節の屈曲・伸展制限がある
・立位姿勢で、膝関節軽度屈曲・股関節軽度屈曲・円背となっている
・臥床してもらうと、膝関節は軽度屈曲位、いつからか膝はベッドにつかないといわれていました。
どう考えたの?
お話を聞いた段階でも脳梗塞後遺症による影響は可能性として低いと感じましたが、姿勢や身体状況を確認してさらに可能性は低いと感じました。
今回は、脳梗塞後遺症への運動プログラムではなく、膝関節そのものに対しての運動プログラムを実施することにしました。
運動プログラムは?
・膝関節の屈曲・伸展の可動域訓練を実施しましたが、痛みが出てしまいなかなか動かすことができませんでした
・膝窩部には圧痛があったため、痛みが出ない程度に圧迫をして緊張を落としていきました。
・膝関節の骨運動学に基づき、動きを少しずつ出していくことで、痛みなく動かす範囲が広がっていきましたが、完全に曲がる・伸ばせるというところまではいきませんでした。
なかなか一度に全部がよくなるというのは難しいですね。
結果は?
約60分程度になりますが、膝の曲げ伸ばしや膝の運動・その他の身体の運動をして、終了としました。
終わってから、ご本人より今まででこんなに実感できたことはなかった。
ふくらはぎも痛くないし、歩いていても背中が伸びている感じがする。
本当にありがたいお言葉をいただきました。
ありがとうございます。
終わりに
最初の情報では脳梗塞後遺症ばかりに考えがいってしまいました。
しかし、身体状況の確認・直接お話をすることがとても大切になります。
今回の場合には脳梗塞後遺症である運動麻痺改善に科学的根拠のある運動を行うだけではご本人が望んでいる結果には結びつかなかったと思います。
何が原因で今の悩みが起きているのかをしっかりと見極めていくことが大切です。
こんかいは膝そのものに対しての運動を行うことで希望に近づけることができましたが、結果が出なかった場合には違う原因を考えていかなければいけません。
実際には、運動プログラムを行いながら反応をみて、原因を追究していくのですが。。。
違う原因が股関節なのか腰なのか足首なのかなどいろいろ考えられますが、一つずつ仮説を立てて実証していくことが近道ではないかと思います。
どのような運動を行っているかなどは、違う機会にまとめたいと思います。
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